
ピヴラッツ®の特徴
静脈内に持続投与する世界で初めてのエンドセリン(ET)受容体拮抗薬ピヴラッツ®の特徴をご紹介します。
承認時評価資料:脳動脈瘤によるくも膜下出血のクリッピング患者を対象とした第Ⅲ相試験
1)脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベントを一つ以上発現した患者の割合、並びにあらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベントを一つ以上発現した患者の割合[主要評価項目]
aSAH発症後6週までに脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を一つ以上発現した患者の 割合は、プラセボ群が39.6%(42/106例)及びピヴラッツ®10mg/時群が16.2%(17/105例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下することが検証されました(vs プラセボ群:p=0.0001、CMH検定)。
脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を一つ以上発現した患者の割合(FAS)[主要評価項目]
最初の主要評価項目を達成したことから、あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベント※2を一つ以上発現した患者の割合を評価したところ、プラセボ群が41.4%(46/111例)及びピヴラッツ®10mg/時群が33.0%(34/103例)であり、有意差は認められず、プラセボ群に対する低下は検証されませんでした(vs プラセボ群:p=0.1871、CMH検定)。
あらゆる理由によるMorbidity/Mortality イベント※2を一つ以上発現した患者の割合(FAS)[主要評価項目]
WFNS分類による層別解析[サブグループ解析]
aSAH発症後6週までに脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を一つ以上発現した患者の割合をWFNS分類によって層別解析したところ、WFNS分類Ⅰ、Ⅱ患者では、プラセボ群が35.0%(28/80例)及びピヴラッツ®10mg/時群が11.3%(9/80例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意な低下が認められました(vs プラセボ群:p=0.0004、CMH検定)。一方で、WFNS分類Ⅲ、Ⅳ患者における有意差は認められませんでした(vs プラセボ群:p=0.1214、CMH検定)。
WFNS分類別の脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を発現した患者の割合(FAS)[サブグループ解析]
血腫の大きさによる層別解析
スクリーニング時の血腫の大きさで脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を一つ以上発現した患者の割合を層別解析したところ、「びまん性で厚い」※2以外の患者では、プラセボ群が21.4%(9/42例)及びピヴラッツ®10mg/時群が5.3%(3/57例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意な低下が認められました(vs プラセボ群:p=0.0227、CMH検定)。「びまん性で厚い」の患者では、プラセボ群が51.6%(33/64例)及びピヴラッツ®10mg/時群が29.2%(14/48例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意な低下が認められました(vs プラセボ群:p=0.0131、CMH検定)。
血腫の大きさ別の脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を発現した患者の割合(FAS)[サブグループ解析]
2)主要評価項目を構成する個々の項目を発現した患者の割合[副次評価項目]
aSAH発症後6週までの脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1を構成する個々の項目に関して、 脳血管攣縮に関連した新規脳梗塞を発現した患者の割合は、プラセボ群が33.3%(36/108例)及びピヴラッツ®10mg/時群が12.3%(13/106例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下しました(vs プラセボ群:p=0.0002、CMH 検定)。また、脳血管攣縮に関連したDINDを発現した患者の割合は、プラセボ群が21.3%(23/108例)及びピヴラッツ®10mg/時群が8.4%(9/107例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下しました(vs プラセボ群:p=0.0072、CMH検定)。一方で、死亡した患者の割合における有意差は認められませんでした(vs プラセボ群:p=0.5606、CMH検定)。 aSAH発症後6週までのあらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベント※2を構成する個々の項目を発現した患者の割合については、いずれも有意差は認められませんでした(vs プラセボ群:CMH検定)。
主要評価項目(脳血管攣縮に関連したMorbidity/Mortalityイベント※1)を構成する個々の項目を発現した患者の割合(FAS)[副次評価項目]
主要評価項目(あらゆる理由によるMorbidity/Mortalityイベント※2)を構成する個々の項目を発現した患者の割合(FAS)[副次評価項目]
3)予後(GOSE、mRS)及び認知機能(MMSE)[副次評価項目](参考情報)
aSAH発症後12週のGOSEスコアの平均値は、プラセボ群が6.1及びピヴラッツ®10mg/時群が6.4、mRSスコアの平均値は、プラセボ群が1.6及びピヴラッツ®10mg/時群が1.4、MMSEスコアの平均値は、プラセボ群が25.7及びピヴラッツ®10mg/時群が26.9であり、いずれも有意差は認められませんでした(vs プラセボ群:CMH検定)。
GOSE、mRS、MMSEの平均値(FAS)[副次評価項目](参考情報)
4)予後(GOSE、mRSスコア)不良の割合[副次評価項目](参考情報)
aSAH発症後12週のGOSEスコアにおける不良(4以下)の割合は、プラセボ群が26.4%(28/106例)、ピヴラッツ®10mg/時群では18.6%(19/102例)、mRSスコアにおける不良(3以上)の割合はプラセボ群が27.4%(29/106例)、ピヴラッツ®10mg/時群では20.6%(21/102例)であり、いずれも有意差は認められませんでした(vs プラセボ群:Fisherの正確確率検定)。
GOSE、mRSスコア不良の割合(FAS)[副次評価項目](参考情報)
5)中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合(中央判定)[副次評価項目]
aSAH発症後14日までの中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合は、プラセボ群が55.0%(61/111例)及びピヴラッツ®10mg/時群が24.8%(27/109例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下しました(vs プラセボ群:p<0.0001、CMH検定)。
中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合(FAS)[副次評価項目]
6)近位血管及び遠位血管での中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合(中央判定)[探索的評価項目]
aSAH発症後14日までの近位血管における中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合は、プラセボ群が42.3%(47/111例)及びピヴラッツ®10mg/時群が24.8%(27/109例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下しました(vs
プラセボ群:p=0.0060、CMH検定)。
aSAH発症後14日までの遠位血管における中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合は、プラセボ群が47.7%(53/111例)及びピヴラッツ®10mg/時群が11.9%(13/109例)であり、ピヴラッツ®10mg/時群で有意に低下しました(vs
プラセボ群:p<0.0001、CMH検定)。
近位血管及び遠位血管での中等度以上の脳血管攣縮を発現した患者の割合(FAS)[探索的評価項目]
投与開始から投与終了(中止)後30日までに治療下で発現した副作用(安全性解析対象集団)